蓮見聖司とは何者なのか

化物は生まれた瞬間から化物だった

悪の教典を本当に好きという人もいるだろう、ただ作品があまりに凄惨な内容となっているため必ずしも一般受けするような内容では無いので本当の意味で人気作といえるかどうかは分からない。筆者は正直この作品ほど、人間に対しての潜在的な恐怖を思い知ることが出来る作品だということだけははっきりと理解できた。それもそうだろう、蓮見聖司という人間は一人の教諭として、異常行動はあったにしても、計算高く、自分の理想郷を作り上げるように画策していたとはいっても、教職者として就任していた事は曲がりようのない事実。確かに自分の計画が全て破綻したから殺していくとしても、その殺していく様は人間とは思えないものだったからだ。実写版で演じている伊藤英明さんの演技はまさに蓮見聖司なる化物を見事に演じきっていたといえる。

彼が生徒達を殺していくとき、その表情はどこか煌々としており、生徒の叫びなど耳に届いていないかのように殺戮行為に浸る自身に陶酔しきっているようにも取れた。そもそも、彼にとって人を殺しているという概念はなく、あくまで自分の歩いている道に立ちふさがっている石ころ同然の物体を除外しているだけに過ぎないとも取れる。そこには是非もなく、憐憫もなく、そして罪悪という感情すら存在していない、サイコパスという言葉そのものだ。

蓮見聖司なる人間は幼少時からそのような人間だったという事が原作でも語られているが、それは別の作品でも語られている。本題として提示しているgood! アフタヌーンというのは、近作が月刊アフタヌーンにてコミカライズされているからこそ、今回はこちらを取り上げた。当然だが、この作品を一般読者も見るような雑誌に乗せられるようなモノでは無い、あくまでコアな作品として、自由度の高い作品を比較的掲載できる本紙だからこそ、この悪の教典のコミカライズも実現可能だったといえる。そんな雑誌紙面でも語られているが、蓮見聖司という少年は幼少期から異常な存在だったことが明らかになっているが、それを決定付ける要素は彼の『共感力の欠如』という、一種の人格障害を患っていた事が本作への絶望へと続くことになる。

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共感力の欠如とは

一般的な観点からでも、他人と自分は別の存在だと感じる分には問題は無い。その人だけにしか感じられる感情はその人だけのものだが、それを人が理解できないわけでは無い。分かりやすくいうと、『痛み』については人間でも、動物でも敏感に反応するものだ。痛みこそその人しか実感できないが、それがどれ程つらいのかということを言葉で説明される、または実際に体験した事があるならばどれくらい大変なのか理解できるだろう。これは正常な人間の感情だが、この時テーマとしてあげた『共感力の欠如』という障害を持っている人にとっては、痛いといわれてもただ『それだけ』でしかないということだ。

いわゆる空気が読めないという言葉で片付けられるところだが、この障害で危惧しなければならない事はその点を踏まえた、『自分のことしか考えていない』という点についてだ。蓮見という架空の人物で考えても、彼は自身という存在をしっかりと定義して生きているように見えるが、本当の意味で彼は他者に対しての思いやりを感じてはいない。それも意図的ではなく、本能で彼は周りの誰もを理解できずにいるということ、彼の恐ろしさを更に増徴させる要因だ。

自分にとって有利、または都合がいいことしか考えていない人はいる、その人にしてみれば自分にとって都合が悪い現実など直視する価値は無いからだ。だがそうした現実はいずれ自身に災悪を与えることとなる、そうして身の破滅を経験してくのが定理としても当てはまる。ところが蓮見という人間はそれを回避するだけの能力を持っていた、そのために悪の教典ともいえる権化そのものを実体化させることが出来てしまった。

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邪魔なら両親さえ殺害する

共感力の欠如だけならまだ良かった、しかし蓮見という人間の本性は自分の道に立ちふさがる物は徹底的なまでに排除する。ただ単純に人を殺すだけでは自身が罪を償うことになるのだが、彼の天性とも言える才能はその頭脳だった。幼少期から頭が冴えていたため、彼は物事を自身の都合よく操作することを得意としていたため、自分を追い詰めようと迫ってくる人間を、逆巻きにするように追い詰め、そして殺していく。そうしたこともあって、自身の両親さえも自らの本性に完全に気づき、あまつさえ自身を警察に突き出そうとしたため躊躇なく殺害した。この時も彼はただ自分の邪魔をするものとして、異分子を取り除いたに過ぎない。そこには全うな理由としてはあまりにお粗末であり、そして欠落した思考ゆえの行動とも言える。

邪魔だから排除する、自分の真理にたどり着こうとする者は徹底的に抹殺して行く姿について、『悪人』という言葉は適さないと考える、うつろ『化物』だといったほうが手っ取り早い。どうしてかというと、真に悪人たるものであればむしろ自分が犯した所業へ近づくことをあえて誘導するものだ。しかし蓮見という化物は、自分の本性に近づいたというだけで邪魔だと殺していくが、その行動がどこか場当たり的、そして突発的なものだったことが不幸といえる。

これこそ彼を『化物』と称するに相応しい点だ、化物と呼ばれる存在は場当たり的ともいえる行動で、それこそ人間を殺すことに理由などもたない。ただ目先には言った人間から手っ取り早く駆逐して行くだけだ。蓮見はそういった存在と同レベルだが、なまじ知能が高いため知恵が働いてこその行動を起こしてしまう。これこそ彼の侵した最大の弱点ともいえるのではないか。

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